ピッ…

「美音、結局その本借りるんだ?」

「え、あー、うん」

「面白かったら次貸して」

「は?意味分かんない」

「そのままの意味だけど?」

「…………。」

「なぁ、いいだろ?」

「はいはい、分かりましたよ!
面白かったらね」

「っしゃっ!
お前、以外といい奴」

「もともといい奴ですぅ〜」

嫌味ったらしく言うとこいつはふっと笑った。

「何が面白いの」

「んーん、初めて会った時はあんなに嫌そうな顔してたクセに」

「してないし
ていうかもう帰る」

「おい、ちょっ待てよ!」