「紅李ー、始めよっ!」

「うん、ちょっと待って…………
よしっ、OK!」


パンっ

ポンっ…


久しぶりにやる部活は清々しいというか
気持ちがいいというか…
この感覚がいいんだよね!

「あっ!」

「大丈夫ー?」

「うん」

ミスしちゃった!



「ぷっ…だっせ…」

「はっ?」

顔を上げて見上げると
男子の顔が見えた。

「今のでミスするとかだっせー」

こいつぅ〜!
何なの!?

ていうか…

「あんた誰?」

「は?」

しばらく間があいて

「…俺だよ、俺俺!」

俺俺詐欺かよ。

「だから、誰?」

「お前、それ本気!?」

「ほんとに分かんない、誰?」


「美音〜(笑)この人同じクラスの
笠宮隼人 (かさみやはやと) 君だよー!」

「? 笠宮隼人?」

「こいつ…最低だろ…」

「な!別に朝宮だろうが風宮だろうが
私がミスしたの笑わないでくれる!?」

「笠宮だよっ!覚えろ!」

「まぁ、いいじゃん。美音やろ?」

「紅李…、ふぅ…じゃあね
あっさっみっやっ!」

「な!だから笠宮だって言ってんだろ!」

「べぇーだ、そんなのしーらない!」

「このクズ女!」

「なんですってぇ!」

「美音!抑えて!」

「おら、笠宮!女子に手ぇ出してんじゃねぇーよ!練習しろ!」

「ちぇ、はーい」

あの朝宮かなんだか知らない人に
睨まれるなんてー!
めちゃくちゃムカつくー!

「こら美音〜!あんたも練習しなさい!」

「ほいほい、分かりましたよ!」