その日の帰り…。

さっき返した本…
クローバーの字ひとつも出てこない。
あの本と関係ないという事…。

何も関係なく挟んでる?
ただ目に入った本に挟んでるだけ?

「美音」

後ろを振り向くと…

「笠宮…?」

「おう」

「なんでいんの?」

「悪い?」

「いや、別に…」


カァカァ…

カラスが鳴いてる
少し暗い赤色の空

「でも、何でついてくんの?」

「は?」

「さっきから。家の方向こっちなの?」

「いや、その…もう暗いし…」

「ん?」

笠宮…顔赤い…。

「……る。」

ブロロロロ…

「え?ごめん!車通ってよく聞こえなかった!」

「……。送るって言ってんだよ!」

「え?送る?」

「おう、家まで。ダメか?」

「いや、ありがとう…」