次の日、寝不足のまま登校した。
頭がボーッとするし足取りは重い。
キヨ君のことを考えると、心臓がドキドキして落ち着かない。
ラブレター、ちゃんと渡せるかなぁ?
避けられたらどうしよう。
目を合わせてもらえなかったら、ショックでどうにかなっちゃいそう。
話しかける自信もないよ。
昨日まではちゃんと渡そうと思っていたのに、いざとなると弱虫な心が出て来てしまう。
「花梨、おはよう」
「あ、杏子〜! おはよう」
下駄箱で杏子と会い、ホッとしたからなのか思わず抱き着く。
何かあると杏子に頼りたくなってしまうわたしは、相当杏子のことが好きらしい。
「ちょっと。邪魔なんだけど」
そんな時、大石さんのうっとおしそうな声が聞こえた。
邪魔そうにわたしを見る目がギラッとしてて怖い。
「ご、ごめん」