「鈴峰……?」



「ひ、久しぶり……っ!」



走り寄るわたしを見て足を止めた高野くんは、目をパチクリさせてビックリしている。



「おう。だな」



クシャっと髪を掻きながら笑う高野くん。


その笑顔は、いつもと違って元気がないように見える。



やっぱり……大石さんのことが原因なんだよね?


まだ好きだってことは、高野くんの顔を見てすぐにわかった。


だって……泣きそうに笑ってるから。



「あ、あの! 突然なんだけど、大石さんのこと……まだ好きなんだよね?」



戸惑うように揺れる高野くんの瞳を見上げる。