「寧々ちゃんってさ、マジで彼氏いないの?」
コウ君が隣に座る大石さんに問いかける。
わたしは複雑な気持ちを抱えたまま、何気なくスプーンでクリームをすくった。
「いないよ〜。あたし、全然モテないから!」
「いやー、それはウソだろ」
「本当だって」
大石さんにとって、高野くんはただ利用する人でしかないの?
そんなのって、あんまりだよ。
だけど、わたしにはどうすればいいのかわからない。
「ねー、番号教えてよ」
「へっ……!?」
わ、わたし……?
なんで?
わたしの隣にいるヨリ君が、ポケットからスマホを出してわたしに向ける。