「そ、そんな……」
「信じてダマされたら、バカをみるのはこっちなんだから。だったら、最初から信じない方が身のため。だからあたしは、誰のことも信用してないの」
なんのためらいもなく言った大石さんは、まっすぐにわたしの目を見ている。
どことなく冷たいその瞳は、誰のことも受け入れないような……疑っているような瞳だった。
なんだかかわいそうな人。
そう思った。
「あんまり遅いと怪しまれるから、そろそろ戻ろう」
「わかった……」
席に戻ると、注文したパフェが来ていた。
コウ君とヨリ君はコーヒーのみで、大きなパフェがドンとテーブルの上に二個置かれている。
「わ〜! 美味しそう」
目を輝かせながら、大石さんが満面の笑みを浮かべた。
さっきまでの冷たい瞳は、もうどこにも見当たらない。