「何してるかって、いちいち電話かけて来ないで欲しいよね〜。説明すんのが面倒なんだけど」
ウソをついているというのに、大石さんは一切悪びれる様子はない。
平気でウソをついて、罪悪感とか感じないのかな。
高野くんのことを考えると、なんだか胸が痛かった。
「高野くんは本気で大石さんを好きなんだよ?それなのに……」
やっぱり、こういうことをするのはよくないと思う。
「鈴峰さんって、本当イイ子ちゃんだよね〜! 利用出来るものは利用しておかなきゃ、損するだけだよ? まぁ、海斗は役に立たないけどさ」
「わたしは、損得感情で動いたりしない。そんなんじゃ心を許せる相手も見つからないよ?」
「そんな相手、あたしには必要ないもん。あたしが信じられるのは自分だけだし」