そう言われて前に出たのはいいものの。
わ、わからない。
どうしよう。
チョークを持ったまま固まる。
目の前の数式が頭の中でぐるぐる回っていた。
こんなことになったのも、元はといえばキヨ君があんなメッセージを送ってくるから。
なんて、出来ないことを人のせいにしてみる。
「わ、わかりません……」
すがるように隣に立つ先生を見たけど。
「もう少し考えてみろ」
あっけなく突き離されてしまった。
うわー。
先生の鬼!
鬼畜!
「せーんせ、花梨ちゃんの代わりに俺がやります」
「ん? 清野か? よし、ならやってみろ」
えっ?
キヨ君が?