ガチャ

涼太「どうぞ。」

サツキ「お邪魔します…」

涼太「お茶いれるからちょっと待ってて?」

サツキ「・・・」



涼太「はい。」

サツキ「ありがとうございます。」

(沈黙)

涼太「俺なんかしちゃった?」

サツキ「・・・ いえ… 」

涼太「ならなんで?」

サツキ「・・・ やっぱり無理だ… 帰ります…」

涼太「ちょっと待って?」 (腕を掴む)

サツキ「離してください!!!」

涼太「話してくれなきゃ分かんないよ?」

サツキ「は? 自分が一番わかってるはずでしょ?! もう話すことなんてない!!!」

涼太「えっ?なんのこと?!」

サツキ「何でよ!! 好きなんて嘘言わないでよ!!! 期待しちゃうじゃん!!!」

涼太「俺はサツキが本当に好きだ。」

サツキ「嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき!!!! あんたなんか大っ嫌い!!!!」

涼太「…俺なんかしちゃった?」

サツキ「一緒にいると疲れるんでしょ?!めんどくさいと思ってるんでしょ?!」

涼太「は? いつ俺がそんなこと言った?!」

サツキ「何で婚約者いるのに好きだなんて言うの?!」

涼太「は?何でそれ…」

サツキ「 同情? ふざけないでよ!!あんたなんかに同情されなくても私は一人で強く生きてる!!」

涼太「そんなこと思ってない!!俺は本気でサツキが好きだ。 婚約者なんて…」

サツキ「まだ嘘つき続けるんだ… 最低だね…」

涼太「嘘じゃない!」

サツキ「じゃあ何であなたのケータイで婚約者が電話かけてくるのよ?! 何で仲良さそうに歩いてるのよ?!」

涼太「は?電話?」

サツキ「会食だって出かけてた日。」

涼太「はあ~ サツキ…話してなかったんだけど…」

サツキ「もう嫌だ!!聞きたくない!!」

涼太「親の会社のことで…」

サツキ「もういい!! 結局あんたも裏切った。都合が悪くなって離れていった。」

涼太「サツキ!信じて? 俺は婚約なんてしてない!」

サツキ「じゃあ何で一緒にいたの?」

涼太「実家に寄ったら、あちこち連れ回されて…」

サツキ「もう嫌だ… 」

涼太「信じて?親の会社の経営が不安定で…親が勝手に婚約を決めちゃったけど…俺は何があってもサツキだけを愛してる!絶対経営立て直して婚約は破棄にするから!」

サツキ「嫌だ… もう嫌だ… うう…(泣)」

涼太「サツキ…ごめん…俺のせいで傷つけて…」

サツキ「どうしたらいいの… いつから私はこんなに弱くなったの?… うう…(泣)」

涼太「サツキ…」(抱き締める)

サツキ「苦しいよ… 」

涼太「サツキ… ごめん…」

サツキ「 何で…」

涼太「俺は最低だね… 守るどころか傷つけてばっかり…」

サツキ「…嘘じゃないの?」

涼太「俺はサツキが大好きだ。愛してる。全然守ってあげられないけど… この気持ちは誰にも負けない。」

サツキ「嬉しかった。好きって言ってくれて。 涼太と一緒にいると…うう…今まで感じたことのなかったものを感じた。 暖かかった。ヒッグッ…ずっと一緒にいたいと思った。… 安永先生と仲良さそうに歩いてるのを見たときは、苦しかった。うう…命を救えなかったこと以外で泣いたのは12年以来だった。忘れてしまおうと思っても、油断すると…うう…涙が溢れてきた… うう…ヒッグッ(泣)」

涼太「サツキ…」(キス)

サツキ「ん…ん…りょ……苦し…んん… 苦しいよ!!」

涼太「ご…ごめん!」

サツキ「ハアハア…」

涼太「サツキ…大好きだ。愛してる。」

サツキ「す…好き…私も…」

涼太 (チュッ)

サツキ「ななな…何?」

涼太「顔真っ赤♪初めてだった?」

サツキ「何が?」

涼太「キス。」

サツキ「う…うん。」

涼太「サツキのファーストキスも~らった♪」

サツキ「はあ?」

涼太「サツキ?」

サツキ「な…何?」

涼太「傷つけてばっかりでごめん… 」

サツキ「別にこんなんじゃ…びくともしないはずだったんだけどね…」

涼太「ごめん… でも絶対、婚約は破棄にするから。」

サツキ「う…うん…」

涼太「電話でなに言われたの?」

サツキ「…これ以上関わるなって… 妹が危ないって…」

涼太「…… はあ~」

サツキ「大丈夫。私は負けないから。」

涼太「サツキ… あと…親また来たのか?」

サツキ「…うん… 家ばれちゃった… 」

涼太「だから引っ越すって言ったの?」

サツキ「うんまあ。でも涼太の顔を見るのが辛かったのもある。」

涼太「ごめん…サツキごめんな…」

サツキ「もういいの。親のことは私が解決するから。」

涼太「どうしてそんなに強いんだ?」

サツキ「ずっと一人だったからかな…」

涼太「そうか…でももう一人じゃないだろ?俺とか兄貴とか頼ってもいいんだぞ?」

サツキ「…ありがとう。でも危ないから…」

涼太「それなら…なおさら一人では行かせられない。」

サツキ「大丈夫。」

涼太「少しは頼れよ… 」

サツキ「大丈夫。私はそんな簡単に負けないから。」

涼太「でも怖いだろ? 俺は…なんにもできないかもしれないけど…力になりたい。」

サツキ「ありがとう。じゃあ困ったときは頼るね?」

涼太「ああ。 あとさ…その親と安永先生繋がってるかも…」

サツキ「うん…たぶんね」

涼太「え…」

サツキ「そんなこと予想済み。 まあ引っ越せば一件落着ってこと。」

涼太「・・・」

(沈黙)

サツキ「あ…あのさあ…いつまでこうしてるの?」

涼太「あ、ごめん。嫌だった?」

サツキ「嫌じゃないけど…心臓持たない…」

涼太「ハハハ(笑) サツキ可愛い♪」

サツキ「やめて…」

涼太「顔真っ赤♪」

サツキ「もう!」