AM11:34

ピロロロロロ♪

CS「ドクターヘリエンジンスタート」

キットを持ってヘリポートまで走る。

サツキ「安永先生はまだですか?」

看護師「さっき森下先生と話しているのは見ましたけど…」

タラタラ走っている莉央が見えてきた。

サツキ「安永先生!急いで!」

莉央「はーい!」

パイロット「大丈夫ですか?」

サツキ「お願いします!ヘッドフォン付けて!」

莉央「そうだった!」

サツキ「情報お願いします。」

CS「こちらCS。自転車と歩行者の接触事故です。一人は自転車に乗っていた中学生ぐらいの女の子。もう一人は歩いていた70代男性。」

サツキ「安永先生は女の子をお願いします。」

莉央「はい。」

パイロット「あと2分です!」


消防隊「こちらです!」

サツキ「状況は?」

消防隊「ここから出てきた自転車と接触して転倒したようです。あまり勢いよくぶつかりはしなかったようです。」

サツキ「分かりますか?」

男性「ああ。」

サツキ「痛いところは?」

男性「足が…」

サツキ「失礼します。ここ痛いですか?」 (足を触診する)

男性「う…」

サツキ (頭部と腹部も触診する)

サツキ「骨折と打撲です。救急車で搬送してください。」

消防隊「分かりました。」


女の子の方に走った。
サツキ「安永先生意識は?」

莉央「私一人で大丈夫です。」

サツキ「…そう。」

莉央「頭部打撲…」

サツキ「どいて!!」

莉央「え…」

サツキ「気づかなかったの?! どいて!瞳孔不動… 脳内出血の疑いあり!ヘリで搬送します!」

看護師「は…はい!」

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緊急手術で女の子は命を取り止めた。


サツキ「ねえ…あなた本当に医者?」

莉央「今回は…仕方なかったんです。次は大丈夫です。」

サツキ「何が仕方ないだって?あなたそれでも医者?ここではミスをすれば人の命が失われる。そういう場所なの!あなたみたいな人がいると迷惑なの!今すぐここを出ていって!」

莉央「何でそんな風に言われなきゃいけないんですか?グス(泣)」

サツキ「あなたは今日一つの命を殺しかけた。それなのに反省もしない。あなたみたいな人がここにいる資格はない!」

莉央「うわーん(泣)」

涼太「おい!」

莉央「りょ~た~ うわーん(泣)」(抱きつく)

涼太「サツキ?何言ったんだ?」

サツキ「ここにいる資格はない。すぐに出ていけって言った。」

涼太「それはちょっと…」

サツキ「何?私間違ったこと言ってる?今日一つの命を殺しかけたのよ!自分のミスで。自分を責めるどころか反省もしない。」

涼太「サツキは間違ってない。けど…」

サツキ「は~ 結局涼太も一緒なんだね… せいぜい傷の舐め合いでもしてたら?」

涼太「いい加減にしろ! パシッ」(頬を叩く)

サツキ「・・・」(頬をおさえる)

涼太「ご…ごめん!サツキごめん!待って!!」