ついにドクターヘリ運航開始の日が来た。

医局長「ということで、最初のヘリ担当は武藤先生と森下先生、看護師一人です。武藤先生は経験があるので、分からないことなどは聞いてください。」

涼太「よろしくサツキ。」

サツキ「よろしく。」


PM2:30…
最初の出動要請があった。

CS「ドクターヘリエンジンスタート」

キットを持ってヘリポートまで走る。

サツキ「お願いします!」

涼太「情報は?」

サツキ「説明は受けてると思うけど、下のペダル踏んで、CSと交信するの。」

涼太「ここか…」

CS「こちらCS。情報です。高速道路での玉突き事故。多数の負傷者がいます。」

サツキ「中山さん(看護師)、トリアージの用意して!」

看護師「はい。」

サツキ「酔ってない?」

看護師「ちょっと…」

サツキ「頑張って?」

看護師「はい…」

パイロット「あと4分ぐらいです。」

涼太「はい。」

サツキ「降りたら消防隊が案内してくれると思うから。」

涼太「分かった。」


着陸した。

消防隊「こちらです!」

涼太「うわ…」

消防隊「先生、こちらお願いします!まだ車の中に取り残されていて、救助中です!」

涼太「…はい!」

消防隊「皆川 愛梨ちゃん、10歳。意識レベル100。」

涼太「愛梨ちゃん?分かる?」

愛梨「うん…」

涼太「痛いところある?」

愛梨「足…挟まれてる…うう(泣)」

涼太「大丈夫。すぐ助けてくれるよ!愛梨ちゃん、手貸して?」 (脈を取る)

愛梨「私死んじゃう?」

涼太「ううん。大丈夫。怖い?」

愛梨「怖い…怖いよ…グス…(泣)」

涼太「泣かない!」(ナデナデ)

消防隊「あとちょっとです!」

涼太「よし、愛梨ちゃん?胸の音聞かせてもらっていい?」

愛梨「うん…」

涼太 (聴診器を当てる)「よし!」

消防隊「先生!こっちもお願いします!」

涼太「えっ?あ、はい!」



サツキ「挿管取って!」

看護師「はい!あっ!心停止です!」

サツキ (挿管して心臓マッサージをする)
5分…10分と時間が過ぎていく。

消防隊「先生!赤タグお願いします!」

サツキ「もうやめましょう…午後3時19分死亡確認。」 (赤タグを切る)

消防隊「こちらです!」

サツキ「はい!」