私は武藤 サツキ。19歳。 いわゆる天才らしい。勉強はするけれど、一回読んだり、聞いたりすればすべて覚えることができるんだ。
大学病院でフライトドクターとして働いている。
なぜ19歳で医者になることができたかというと、高校に入ってすぐ東京大学に是非来てくれと言われて、医学部に入ったけれど、アメリカの有名大学の教授が「君はなぜ天才児登録しなかったのか?すぐアメリカに来い!!」と言われ、2年で医師免許を取得して今に至る。

私には美華という妹がいる。たった一人の家族。
私は美華のためならなんでもする。私のようになってほしくない…

私は武藤 美華。12歳。私のお姉ちゃんは天才なんだ。
だけど一緒に出掛けると、いっつも芸能界の人にスカウトされるくらいすっごく美人でかわいいんだ!
私の憧れ!!
まあ私も1ヶ月に3回は告白されるけどね♪

でもほとんど帰ってこないから寂しいときもあるけどね。

俺は森下 涼太。25歳。なんか「イケメンドクター」とかいって看護師とか患者にキャーキャー言われるけれど、そういうやつは顔しか見てないからイライラする。
まあ人の命が救えれば俺は満足なんだけど。
「ドクターヘリエンジンスタート」
サツキ:「行ってきます!」
----------------------------------- ヘリポートまで走る
ババババババババババ
サツキ:「お願いします。」
ヘッドフォンをつけて、CSと交信する。
CS:「こちらCS。70代くらいの男性。道で倒れていたところを通行人が発見。心肺停止していましたが、通行人の中にドクターがいたようで、マッサージで戻ったようです。詳しいことは入り次第。」
パイロット:「着陸は…?」
CA:「近くにスーパーの駐車場があります。消防が誘導すると思います。場所は○×○×町○×○×スーパーです。」
パイロット「了解。」
CS:「情報です。意識はなし。バイタルは安定。」
サツキ:「了解。」「相澤先生、挿管の準備お願いします。」
裕翔:「おお。心臓発作かなんかかなあ」
パイロット:「あと5分くらいでつきます。」
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消防士:「こちらです!」
通行人のドクターだろうか。倒れている男性のそばにいる。
サツキ:「分かりますか?」「名前は?」
涼太:「分かりません。発見した時点で心肺停止していました。4分で戻りました。20分くらい前です。」
サツキ:「ありがとうございます。救命医ですか?」
涼太:「はい。」
サツキ:「あなたがいて本当に良かった。」
聴診器を当て、頭、大腿骨等を触診する。
サツキ:「相澤先生。雑音はありますが、安定しています。転倒時の骨折・打撲等もなさそうです。」
裕翔:「OK。運ぼう。」
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大学病院に着いた。
男性は検査の結果、心臓病で、心臓発作だった。
助かって本当に良かった。私は安堵のため息を漏らした。






今日は当直。
救命は夜中だろうと関係ない。酔っぱらいの対応、子供がやけどをしたと冷やしもせず、真っ青な顔で駆け込んでくる親等々。もちろん重症患者もいるが・・・

PM2:30
サツキ:(美華寝たかなあ?ああそういえば明後日ダンス友達とBBQとか言ったっけ・・・)

ピロロロロ…ピロロロロ
サツキ:「はい、高度救命センター。」
救急隊「ひどい喘息発作です。受け入れお願いします。あと3分くらいです。」
サツキ:「分かりました。受け入れます。」
光希:「救急?」
サツキ:「はい。喘息発作だそうです。あと3分くらいです。」
光希:「行こうか。」
サツキ「はい。」

ピーポーピーポー
ガチャ
救急隊:「菅野 未来ちゃん 7歳です。」
サツキ:「未来ちゃん分かる?握手しよ。ギュー」
未来:「ハアハアヒューヒューゲホゲホハアハアハアハア ヒューヒュー う…ん…」
(キュッ)
サツキ:「未来ちゃん苦しいね。すぐ楽にしてあげるからちょっと我慢してね。光希先生、意識レベルクリアです。」
光希:「喘鳴ひどいわね。酸素5L。点滴。」
看護師:「はい。」
未来:「ハアハアハアハアハアハアゲホゲホゲホゲホゲホゲホハアハア…」
サツキ:「すぐ楽になるよ!頑張ろう!

15分くらいで落ち着いてきた。
未来ちゃんはぐったりしている。
サツキ:「よく頑張ったね?寝ていいよ!」
未来:「うん。」 スースー…
私は呼吸音を確認してから医局に戻った。
それから4人の救急外来があったけれどなんとか交代。
あっ、読みたい本あったんだった。資料室行こう!!
裕翔:「お疲れ、サツキ。帰らないの?」
サツキ:「ああ、読みたい資料があって…」
裕翔:「当直明けだろ?休めよ。」
サツキ「分かってますって!すぐ帰ります!」
裕翔:「分かった。俺これから回診だから、じゃあな。」