「先生!」
熊谷くんは、私を見てこう言った。
生徒達は、ザワザワしている中、熊谷くんを見た。
「はい、何?」
「先生は、そんな目標があったのに。何で担任にはなれないんですか?」
熊谷くんは私に悪意もなく聞いてきた。
生徒達は熊谷くんを、賛同するかのように
「それ思ってた。何で?築地先生より、池脇先生がいい」という声が聞こえる一方、「池脇先生の力不足」という微かだが聞こえた。
私は、言った。
「いろんな意見があると思う。
でもね、あなた達が心配することじゃないから。
授業と関係ないこと話しすぎたから、今日はここまで、はいー!皆、前向いて」
私は、明るく振る舞い授業を終えた。
熊谷くんは、池脇先生話、逸らしたなと独り言のように呟いていた。