「望さんも、ありがとう」
「いえ、私は何もしてないですよ」
高木さんは望にそう言って、私のところへきた。
「うん?どうしたんです?」
私は高木さんがじーと私のことを見てきた。
「なんでもない」
高木さんは照れていた。
いつも言わない言葉を発したことにより、恥ずかしさが募ったのだろう。
そんなことを考えていると、倉田さんが
私たちを呼んでいた。
「波ちゃんー、旭ー。めでたく、旭たちが恋人になったこと、そして、そして。俺たちの結婚を祝して。祝いしようよ!旭、波ちゃん」
私たちはお互い顔を見あわせ、クスッと笑いあった。
感じ取ったことは、多分一緒。
この人は、優しい。
「おー、今行く」
高木さんは仕方なそうにポリポリと頭をかきながら言い、早足で向かっていった。
私の幸せは、少しずつ増えていく。
まさか、高木さんと付き合うことになるとも思わなかったし。
楽しいことも苦しいこともあるけど、幸せを感じる瞬間があると思う。
楽しみは二人で感じていきたい。
Fin