「波、わかりやすいから。すぐわかったよ。ベニ集合って言われた時。私、すぐに携帯出してたでしょ?その時に倉田さんにLINEしたの」
望は笑顔で私に言って、背中をさすってくれた。
こんな幸せなことなんてないよ。
私はもう目が赤くなり、涙が止まらなかった。
「望ちゃん、悩んでたんだよ。波、大丈夫かなって…」
倉田さんは両手にズボンのポケットに入りて私に言った。
私は望を見て、声を発した。
「…望、倉田さんありがとう。ほんとにありがとう」
そして私は高木さんを見た。
高木さんは、呆然と立ちつくしていた。
それを見た倉田さんが高木さんのところに駆け寄って声をかけていた。
なんの話をしているのかわからなかったけど、高木さんにとって嬉しいことであった。