土曜日
「高木さん、すいません。遅れました」

「波、遅い。10時に待ち合わせだっていうのに」

今日は、美容院『ベニ』で望と倉田さんと待ち合わせだ。

なんで、わざわざ待ち合わせをするのかというと。

高木さんがある提案をしてきたのだ。

お互い好きという気持ちがわかったあの日に望と倉田さんの話になったのだ。



「な、波。お前の友達と翔太には、世話になったからさ。なんかしてあげたいなって」

お酒を飲んでいる高木さんは頭がボサボサでだらしなかったが、その姿も今は好きだ。

私もお酒を飲んで、高木さんの話を聞いた。

「……え?どうしたの、今日変ですよ。
高木さんですか」