「ベニさんは高木さんのこと、ちゃんと見てますから大丈夫ですよ」
高木さんはボーッと空を眺めていたとろーんとした目が私の言葉で見開いて目を丸くしていた。
「お前、なに。俺の考えていること分かるの?」
「いや、別に勘ですよ」
私はニコッと笑顔で高木さんに向けて答えた。
「はあー、お前にはかなわないか。これから、よろしくな、波」
肩をつかんで低い声で私の名前を言って、高木さんは私に優しくキスをした。
高木さんとのキスは、甘くて蜂蜜のように私を癒してくれるようだった。
「……っはい」
そして、高木さんの両手は私の肩から離れて微笑んで私に言った。
「ありがとな」
私たちは高木さんの部屋に入って、しばらく話し込んだ。
楽しい一日が終わってしまうことを悲しみながら、私は深夜に自分の部屋に戻り
眠りについた。