望はこの頃明るくなった。
前も明るかったが、茶髪イケメンに既読スルーされて、そこで終わってしまっていたから落ち込んでいたのかもしれない。
それもあり、前よりは明るい。
いいことがあると人間は幸せになれる。
でも、その裏で悲しさはその倍ある。
「……なんで分かるの?」
「顔がいつもと違う。なんか説明できないけど、違う」
望は、私を見てニヤニヤしていた。
「……気のせいでしょ。仕事しよう。仕事」
望がにやけている表情を緩めずにただ私を見ていた。
その光景に私は望を右手でしっしっと手で払っていた。
だが全然望は私の隣を去ろうとしない。
こんなことなかったのに、早く仕事した方いいと思うだけどな。
どうしたんだろうと私はパチパチとパソコンを打ち込んでいるのをやめると、望を見てみたら私を見て、目を細めて切ない表情を浮かべていた。
「望?」
「波、大丈夫よ。高木さんは大丈夫だから」