「……ゴメン」

はあーと酔いつぶれたようにまっちゃんは、テーブルに倒れた。

「謝るなよ。謝られたら、こっちだって困るから。波は高木さんが好きなはずだよ。自分の気持ちを確かめてごらん」

まっちゃんは悲しいような嬉しいような笑みを浮かべていた。

「ありがとう」

私は彼に精一杯の気持ちで微笑んだ。

「俺は波の気持ちを応援するから。俺になんでも言って。俺の気持ちはいいから」

「いや……だって」

私は目が泳いでまっちゃんを見れない。
なんて優しい人なんだろう。

私の気持ちは薄ペラいダンボールが道路にあれば吹き飛ばされそうなほど汚れてしまったのだろうか。

本当にいいひとに恵まれている。

「いいから。何も言わないで。言われるとこっちが言いたくなるから。やめて」

まっちゃんは私を見てため息をついてから、言った。

「高木さんにまず会うべきだ。それから、素直に言うことだ」

まっちゃんはその一言だけ言って、帰っていた。

私はまっちゃんに感謝をした。
アドバイスをしてくれる人はそんなに多くはない。

まっちゃんに私はありがとうともう1度言いたかった。