「分からないって言われてもちゃんと言わないと」
まっちゃんにひどいことを言ったのに、私のことをちゃんと聞いてくれる。なんて優しいのだろう。
「……そうだね。私、この前ある人の過去を打ち明けられたの。話す時は、いつもそんな感じに見えなかったし。私をからかってるんだ、この人はって思ってたの。でも、私はこの人のことちゃんと見ていなかったんだ。外見で判断してたんだって思いしらされて……なんて言えばいいだろう。だから、その人と面と向かって向き合いたいの。でも、その人が好きか分からないの」
私が言い終えた途端、まっちゃんは、はあーとため息をついた。
「そいつって、もしかして波の隣に住んでいる高木旭さんのこと?」
私は驚いた。まっちゃんがなんで変人美容師だと分かったの。
まっちゃんは、たった一回しか会っていないのに。
「え? なんで分かったの?」
「高木さんと会った時、波、すごい心配そうに高木さん見てただろう?あんな顔されたら、こっちの気持ちも考えろよ」
まっちゃんはそう言って、私を見てきた。