俺と高木旭は、小さい頃からの幼馴染だ。
旭は少しキツイことを言うが、優しいやつだ。
だが、女の子には全然興味を示さない。
本当に興味がないのだろうか。
幼い頃から、旭は俺よりモテてていた。
女子にチヤホヤされても、それを無視して、一人で遊んでいることが多かった。
だからか、周りからは怖いイメージを持たれやすかった。
「なんで、分からないかな? 吉岡ベニの魅力」
旭は、混んでいた売店から走ってきたのか息切れをしていた。
彼は一番大好きなチョコチップパンをゲット出来たのか、当の本人には無表情だが目が笑っている。
ちゃんと顔を見ないと分からないが、旭は本当にいい奴だ。
「……魅力ね……」
旭はそう言って、吉岡ベニの方を頬杖をつきながら、チョコチップパンを頬張っていた。