「どうしたんですか? 倉田さん」
私は倉田さんに呼びだされた。

今、私は美容院「ベニ」に来ている。

なぜかというと……

「波ー。明日、倉田さんのところ行こう」

「なんで? 結構仕事溜まってんだけど」

私は築地先生からまた小学生の丸付けを頼まれたので仕事が沢山詰まっていた。

望は倉田さんとやっと連絡が取れたのか元気を取り戻したようであった。

「そんなのいいから!今日美容院行くよ」

「えっー」

望の言ったことは即行動。

私の意見は通らない。

私は変人美容師と会いたくないのに……

翌日

休日、土曜日ということもあり、歩いている道は人がたくさん溢れていた。


望と私は美容院「ベニ」で待ち合わせした後、来店した。

「お邪魔しまーす」

いつもに増して明るい声で望は倉田さんに挨拶した。

私は望の後ろで小声でお邪魔しまーすと言った。

「はいはーい。待ってました」
倉田さんは、笑顔で私たちのことを出迎えてくれた。