「うーん、そうだな。まあ、この近くに家があるけど。波、俺が本当にこの近くに住んでると思ってる?」
「え?」
私は驚いた顔をしてまっちゃんを見た。
「波は違う方向だと、申し訳ないからって。送るって言っても、大丈夫って言うだろう。だから俺がそう言って、波を送ったの」
「ゴメン! 気づかなくて……もう暗いし帰って大丈夫だよ」
私はまっちゃんに謝った。
まっちゃんは、優しい声で私に言った。
「波。俺はね。波と話したかったから、俺の意思で送ったの。波が謝る必要はないんだよ」
「……ありがとう」
私は感謝の言葉を照れながらも声を発した。
「いいえ、どう致しまして!」