あの頃、もう少しまっちゃんと話をしていれば未来は変わっただろう。


だが、子供だった上に何も行動が出来なかったのだ。

「……波が信じれないのは高校の時のあの噂だろう?」

まっちゃんは、私の様子を察したのか私の心を読み取るように聞いてきた。


「……」


「俺たち、そのことについて一切触れずに何も話さずに別れた。俺はそのことに後悔してる。あの時、なんで出来なかったんだろうって」

まっちゃんは、本当に後悔したように両手を合わせて申し訳なそうにしていた。

「……じゃあ、あの噂は本当だったの?」

「それは誤解だったんだ。あの頃の俺は波にどうやってもっと好きになってか必死だったし。悪いむしがつくんじゃないかって心配だった。だから、女友達にどうしたらいいか相談してもらってたんだ」

まっちゃんは、紅茶を一気に飲み干して私を見た。

私はその言葉に信じることができなかった。

あの頃、何も言わなかったから。
私はてっきり浮気したのかと思ってた。

「……嘘でしょ」

私はその言葉に涙が溢れそうになっていた。

あの頃、もっと話せば……