「失礼だよな。俺すぐ分かったよ。波だって」
「……ゴメン。でも、まっちゃん。変わりすぎててわからなかった」
「そんな俺変わった?」
「うん。昔はひょろりしてたのに、こんなに大きくなって大人の男性になって……」
私は彼とは別れてから一言も話していないのに昔に戻ったみたいだ。
「大人の男性か……波。俺、頑張ったんだ。あの会社に入るのも結構入れるだけですごいっていう会社なんだ。だから、あの会社に入って、昔の自分じゃなくて変わりたいって思った。そして、波に自分をみてほしかったんだ」
「私? なんで?」
「俺は、あんな別れ方で波と別れてから後悔した。だから、波のことはずっと忘れられなかったんだ」
私のことが、忘れられなかった?
今さら、どうして。
「だから、羽のネックレス持ってたの?」
「そう。波に会えるとは思ってなかった。でも、あの羽のネックレスで俺は頑張れた」