そう……だから、まっちゃんと話すことすら緊張するのだ。


まず、何を話そうか。

私は思考を巡らせていると……カランカランという来店する音が聞こえた。

キョロキョロと辺りを見渡す男性が目の前に現れた。

男性は、私を見つけるとすぐにこちらに向かってきた。

私は誰だか一目散に分かった。

「波。ゴメン、待った?」

まっちゃんだ。


私が彼と何を話そうか考えていた矢先に、彼はやってきた。


手を振りながら私を見て、笑顔で向かってくる彼にさっきほどの動揺を忘れてしまうほどだ。


しかも、清々しく。


疲れた表情も見せずに。


「うんうん、待ってない。大丈夫。私も今来たばっかりだから」


まっちゃんは、沢山の資料が入ったカバンを椅子において私に話しかけてきた。


「波。なんか、頼んだ?」


まっちゃんは、テーブルにあったメニュー表を開いて、どれにしようか悩んでいた。


「いや、まだだけど」


「俺、頼もうかな。何にする?」


「うーん。どうしようかな? 私はミルクティーでいいかな」