私は何事もなく授業を行った。


いつも通りに、いつも通りに……授業はできたと私は思う。


まっちゃん、私がやっていた授業に来なくて良かった。


ホッと一安心。

だが、
その後も全然会わなかったし。
良いような、悪いような。

仕事が忙しいのは分かっているが、少しまっちゃんの仕事風景を見たかった。


そんなことを思いながら、帰り支度をすると……


朝比奈が声をかけてきた。


「池脇先生。土曜日って空いてます?」

朝比奈は、カバンを右手にかかげてにっとして笑顔で言っていた。