でも、この人は
高校の彼とは全く違う。
髪をワックスで整えられており、身長が高い。
高校の彼は身長が低くて、頼りになる時もあるが私が守らなくてはいけないような印象があった。
だから、この人は絶対違う。
「……」
「……黙るなよ。まあ、前とは俺違うもんな。じゃあ、これで分かるかな?」
松岡良平という男は、右手に持っていたカバンをゴソゴソと手に突っ込んで何か探していた。
探し当てて取り出したのは、羽のネックレスだった。
これ……見覚えがある。
高校の時、彼と一緒にお揃いで買ったネックレス。
……彼がネックレスをすると、首にホク
ロがあってセクシーだった。
松岡良平という男の首を見ると、私の覚えがある所に、ホクロがあった。