確かに、あの地元の記者にメロメロになるのは分かる。


容姿は外国人並に身長が高くて、髪も綺麗に整えられていた。


私の理想のタイプに合っている。


だから、女性教師達の気持ちが分からない訳ではない。


「では、良平さんまずは校長室で話をしようか」


校長は、松岡良平という男に声をかけて職員室を去ろうとした時


私の方に松岡良平という男が歩み寄ってきた。


「もしかして、池脇波?」


その男は、立っていた私に首を傾げながら聞いてきた。


しかも、真意を探るような目で……


でも、女性教師の視線が空気で感じてしまう。


「……え? すいません、誰ですか?」


「あ、やっぱりこの声。俺だよ。
高校の時、付き合っていた彼氏も忘れた?」


高校……
付き合っていた彼は黒髪で女の子みたいな感じだった。


だけど彼は、私の中を包み込むような優しさを持っていた。