まさかね、望は茶髪な人しか興味ないしね。


「……まさかね……」


「はあ? 何が」


私は望を見て、顔を凝視した。
だが、そんな様子は全く感じられない。



「こっちの話だよ。望、それより用事あって私に話かけたんでしょ?」

望は、にやりと笑っていた。


「さすがは、波ー! そうだよ。今日はね、この学校を取材したいっていう人が来るらしいのよ。しかも……」


「イケメンでしょ」

望は、驚いた顔で私を見ていた。



「……なんでそれ知ってんの」



「だって望気づいていないようだけど、イケメンっていうの口癖だからね」


望は口を押さえて、え? マジかと言って右手にカバンを持っていたので鏡を出して自分の顔を見ていた。

見ても変わらないのに、そこんとこ望、可愛いんだよな。