変人美容師は、声を発した。 「……そうだな。よし、出来たぞ! ほら、髪、綺麗になっただろ!」 変人美容師は、何事もなかったように明るいトーンで話し始めた。 それに、違和感があった。 「……そ、そうですね」 私は、なんと言ったらいいか分からずにただ返事をするだけであった。 なにか出来ないのだろうか。 私はそう思いながら、髪に耳をかけたその瞬間……