「……」
「やってくれるよね?」
変人美容師は、頬杖をつきながらニコニコと笑ってくる。
その笑いは、嫌とは言わせないオーラを出してくる。
「……やります」
私は渋々了承し、変人美容師のカットモデルをやることになった。
「前と同じとこ座れ」
変人美容師は、命令口調で私に言った。
こいつ、私が逆らえないと思って……
くそ……
「座ったな。じゃあ、やるからな」
私は前と同じ椅子に座り、変人美容師のカットモデルとして、大人しく座っていた。
「……」
終始、変人美容師は黙って、私の髪をいじっていた。
私は下に俯いて、変人美容師に話かけることもなく私も黙っていた。