「あっ・・・私、星野ささらといいます。あの、さっき救急車で運ばれて来た人ですよね?」

「まぁ、そうですけど・・・。」

「怪我大丈夫ですか?!」

「あ・・・はい。3日間入院ですけど。たいしたことないんで。・・・・君は?」

「私は、えーと・・・あっ、元々体が弱くてよく来るの。」

「・・・・そうなんだ。」

「同じ歳位だし、仲良くしてよね?」

「おう。・・・俺、有田悠馬。3日間よろしくね星野さん。」

「うん。よろしくね、悠馬君。」



 悠馬君?・・・少し違和感がある。

女子から名前で呼ばれるとか、なんか緊張する。


 俺がボケーッとしてる間に、私の隣に来ていた。

「サッカーやってるの?」

「あ・・・うん。」

俺の学校の方を見て話しかけてきた。

星野さんはため息をついた。

「私、サッカーボールも蹴ったことないな・・・。」

「え?そんなに体弱いの?サッカーボールなんてどこにでも転がってるじゃん。」

「どこにでも、転がってないよ~。」
星野さんはクスクス笑った。

「私ね、外出るのもやっとなの。ホントはこの屋上もダメって看護師に言われてるんだけど・・・。ここ好きだから、内緒で来てる。」

「・・・・うん。」

「こんな弱い人が運動しちゃったら。どうなるか分かる?ぶっ倒れちゃうよ~。」
星野さんは一人で笑っていた。

 
「それ、笑いごとじゃないよな。」

「何年もこんな感じで過ごしていると笑えてきちゃうんだよ。」

「・・・・。」