【楓said】



俺は膝をついて渡部の肩に触れた。

「俺・・・理沙のこと、好きだ。」

「・・・・。」

俺は渡部を、『理沙』と呼んだ。

理沙はまだ目をまん丸にして、びっくりしていた。

「お前があいつのことまだ好きだって知ってる。最初はあいつの代わりでいいから。・・・付き合ってくれないか?」

理沙は、うるうる来ていた涙を一粒頬に流した。


そんな理沙を俺は助けたくて、温かく包み込んだ。

理沙は少し震えていた気がする。

告白の結果がどうであろうと、友達として、または恋人として近くで支えたい。


理沙はしばらく経ってから、俺の胸で声を出して泣いた。