ピィィィー!!!


試合が始まった。

星野さんが見ているからだろうか・・・。
中学の時の試合よりやけに、緊張する。



 俺は、

『MFだから、少し上がればいい。
怪我は完全に治ってないんだ。無理するな。』

と先生に言われた。


『お前を失うと、チームの負担が大きい。仮に今回は練習試合だ。』


うれしいような、むかつくような言葉。



 でも、こんなんじゃ先生にアピールできねぇ。

それに、星野さんにも俺のシュート見せたい。


 俺は無我夢中で走り出す。

俺はすでに、FWを抜かし、ボールの真横まで来ていた。


 「先輩!俺にパスしてください!!」

俺はちょうどDFがいない、シュートを打ちやすい場所にいた。


かすかに先輩の口から、
「無理すんな、・・バカ。」

ときこえてきたものの、チャンスだと思ったのか、パスをくれた。



 俺はシュートを打つ・・・。



ゴールキーパーは、素早く俺が放ったシュートに食らいつこうとする。



 入っ・・・・た・・。


歓声は一気に広まった。


 前半24分のこと。


 俺は、その後先生からの指示でフィールドを降りた。

降りる時・・・彼女は手を振ってくれた・・・・。