【ささらsaid】


 しばらく経って理沙がお見舞いに来た。

正直理沙とはあれから会いにくい。

彼女も、気を使って来るし・・・。



 ガラガラガラ・・・・。

「ささら?調子どう?」


ほら、これだ。


私は笑顔で返事をする。

「全然大丈夫!」

「よかった・・・。」



 少し沈黙が続いた。



「悠馬君・・・足良くなった?」

「う~ん。まだサッカーはできないけど・・・歩けるよ。」

「そっか・・・よかった・・・。」


 私はホッとする。


 そんな私を理沙は覗いてきた。



「ささら、ホントに付き合ったら?有田と。」

「・・・でも、」

「告られたの、振ったんでしょ?」

「・・・いいの。こんな私引き受けてくれない。」

理沙はため息をついた。

「引き受けてくれるよ、あいつは。元々、体弱いって言ってるんだし。」

「体弱いと、これは違うよ。」

「私は付き合った方が良いと思う。こんな、微妙な関係を見てると2人とも可哀想だよ。」

「・・・・でも。」


 私は凄く迷った。

付き合いたかった。けど、こんな体じゃ、残された悠馬君がかわいそう。

でも、理沙は私も可哀想だと言ってくれた。


 私は悠馬君に恋心を持っている。絶対。

メールとか電話とか、するたびにドキドキしてケータイを1分ごとにチェックしちゃう程、気になってる。

私は寝ぼけてるふりをしたけど、抱きしめてくれた時はホントに心拍数が早くて、
居心地が良かった。

 でも、たまに思ってしまう。こんな私が幸せになって良いのかと・・・。

悠馬君はもっと可愛い人と。将来が保障されてる人と付き合った方が良いんじゃないかと。


 「ささら、私は応援してるよ。どんなことがあっても。」

「ありがとう・・・。」

私は自然と涙が出た。