そんな風な話はあっという間に1時間過ぎた。

空はもう暗い。雨はさっきより強くなっていた。


 「じゃあ、私そろそろ病室に帰らないとな~。」

「おう。」

「明日退院でしょ?」

「うん。」

「見送るよ。」

「ありがと。」


 明日は退院。長かったようで短い3日間だった。
今日の昼間はヒマで長く感じたが・・・。


 星野さんが自分の病室に戻ろうと椅子から立った途端、大きな雷の音が聞こえた。


 ゴローーンッ!!!



 「キャッ!!!」

星野さんはその場にしゃがみ込んだ。

「おい?大丈夫かよ?」


「・・・かみなり・・・ムリ・・。」

俺から見て、少し過呼吸になっているように見えた。


 俺はどうしたらいいか、わからなくなった。

 「もう少しここに居ていいから・・・な?」

優しくかけられる言葉が無い。

俺自身も、違う意味で怖かった。


 ゴローーンッ!!!


 また雷がなる。

さっきまで、明るかった星野さんが、うずくまって震えてるなんて・・・
さっきとは違う意味で可愛いと思った。

なんか違う感情が俺を襲ってくる。

助けたいって感情が舞い上がって来た。