「莉愛!」

『優くん。』

「今日、なんかされなかったか?」

『うん!大丈夫だったよ。』

あの事件があったあと優くんは凄く心配してくれる。

やっぱし、優真さんの子供だな。

「ねぇねぇー!最近優とリーちゃんなかいいよねー。もしかして付き合ってんの?」

ちょうど優くんと一緒にいた遥くんが聞いてくる。

『そんなんじゃないよ。優くんは私の大切な友達だよ。』

そういって遥くんに笑ってみせる。

最近では少しだけど、まともに笑えるようになってきた。

優くんのおかげ。いつか本当に心の底からもう一度子供の時みたいに笑いたいな。

今じゃこれが私の夢。

小さくて大きな夢。

自分でも成長したなと思う。前まではこんなことに思わなかった。

笑うなんて、作り笑いでいいなんてそう思っていた。

私は優くんと遥くんと別れて屋上にむかった。