連絡していた子にも伝えたら、喜ばれて。
面接受けるなんて聞いてない、とか言っていた気がするけど。
お母さんとアオさんにも連絡したんだけれど。
アオさんからはすぐにメールで返信が来て喜んでくれた。
仕事中のお母さんには、留守電を入れておいた。
〈Iris(アイリス)〉は、駅近くカフェで、周りのお店とは対照的に、落ち着いた雰囲気。
一人でも入りやすい外観で、ドリンクやサイドメニューも充実していた。
店員さんの身に着けていたエプロンは、
シンプルなデザインの巻きエプロンだった。
店内にある小物や家具は、シックなものが多くて。
センスのいい感じが、真城さんの印象と反映している。
真城さんは、30代前半くらいの年齢で、優しくて物腰の柔らかい人だった。
優しいお姉さん、って言う様な素敵な女性。
電話越しの少し高めの、掠れのない綺麗な声。
丁寧だけど、冷たくもとれる敬語。
崩れるのを聞いたことがないからなのか、敬語だから穏やかなのか。
真城さんは、不思議な人だと思った。
具体的な根拠はない。
一度会ったことがあるだけ、なんだけれど。だから不思議に思った。
まだ来ない土曜日が、待ち遠しく思って。
不安と期待で、胸が高鳴った。