背もたれに体を預け、空を見上げる。
今日は憎らしいくらい晴れていて、空は綺麗な青に染まっている。
前はここで晴れの日も曇りの日の空も、沢山見ていた。
圧倒的に少ないけれど、雨の日だって。
勿論、3人で。
でも今見てる空は、前に沢山見てた景色でも空でもない。
久しぶりに来たこの丘は、公園になっていた。
土地としては広くはないけど、極端に狭くもないこの丘。
私が中学生の時には既に、公園になる話があったから驚きはしなかった。
遊具こそそんなに設置されてないものの、遊びに来ている親子が何組かいる。
元々この丘にはベンチと鉄棒くらいしかなかったけれど、今では大き目の滑り台も増えている。
ブランコだってあって、小さな子供は母親に見守られながら、
楽しそうに遊んでいる。
ベンチは何ヶ所か設置されていて、その殆どがまだ新しい。
私が今座っているベンチだけだ、見るからに年季が入っているのは。
公園にする時に、何故このベンチも新しくしなかったのか疑問だけれど。
個人的に嬉しかった。
思い出の場所のこの丘が、公園になって全く違う景色になってしまった。
それでも、ベンチは変わらずそこにある。
そんな些細な事が、凄く嬉しい。