背の高い幹、長く伸びた枝。


その大きな木の下にある、古くなったベンチ。



あぁ、此処だ。この木だ。



葉っぱが、そっと風に揺れて賑やかだ。


静かに目を閉じれば、蘇る記憶。




毎日が楽しくて楽しくて、仕方がなかったあの日々。


感情もなく訳がわからず、泣き続けた"あの日"。


すべてが崩れてしまった"あの日"。


そして空白の"あの日"。





その日の事、何も憶えてないなんて怒るよね。


でも確かに、大切な日々だったんだよ......。