帰り道、私はずっと考えていた。


千堂が言っていた"あれ"についてだ。

それと、じっと私達のやりとりを見ている愛海の行動。



中学二年の時か…。

何度、思い出そうとしても、そんなのわかんなくて。心が空っぽだった。



一番気になっているのは、何の反応もせずに様子を伺っていた愛海の行動だ。


まるで何かを知っているかの様な、そんな素振りでも無いし。

ただ、興味があっただけって様子でもなかった。


千堂が私の答えを知っていたのが本当で、愛海自身もその"あれ"という頼み事を知っている…。

……そんな訳ないよね、きっと考え過ぎだ。


考えてはわからないを繰り返す、ループの様なものが出来てしまって余計な事まで心配になる。


本人に聞いても、きっと答えてくれないだろう。



やめた。

大した事じゃないって言っていたし、気にするのやめよう。

開き直る。どーせ、考えてもわかんないんだし。


マンションの前に着いて、中に入る前に一度空を見上げた。

あの綺麗な暗闇に、心の中で問いかける。



"私はどうしたらいい?".....なんて。