それから注文したものが来て(飲み物とそれぞれのご飯)、グダグダと話した。
「どう?
さっきも言ったけど慣れた?」
やっぱり、心配掛けてるのかなぁ。
初めて会った時の事は覚えて無いけれど、結構長い付き合いになるし。
「うん、慣れたよ。
でも、なんかアオさん、お母さんみたい。」
「え~、お母さん?
まぁ、悪い気はしないけど…。」
笑っていう私にアオさんは、曖昧な顔をした。
のんびりと話しながら、お互い食べ終わった頃アオさんの携帯が鳴った。
「ごめんね、仕事かも」
ちょっと席外すね、とアオさんが席を立った。
……きっと、仕事なんだろうなぁ。
画面を見て、表情が強張ってたし。
無理して時間作ってくれたみたいだし、相当心配させてしまってたな。
そんな事を考えながら、ドリンクを飲んでアオさんを待つ。
「ごめんごめん、明日の打ち合わせの電話だったー。」
……楽って、打ち合わせの事か。
大丈夫だよ、と笑って言う。
「今日はお開きにする?寄りたい所とかない?」
「うん、そうだね。結構遅くなっちゃったし。
明日、アオさんが寝坊したら困るしね。」
半分、本気で半分は、冗談。
アオさんに限って寝坊なんてし無いけど、きっと仕事の電話は明日の事だけじゃない筈。
絶対、アオさんは言わないだろうけどね。
「寝坊なんてしないよ、もう。それじゃあ、家まで送るよ」
そう言って立ち上がる、アオさん。
「いいよ、ここから近いし。アオさん遠回りになるから」
これは本当だ。
アオさんは、いつも車に乗って出掛けるから、今日もそうだろう。
それでいつも、送るって言ってくれるけど、アオさんの家から遠回りになってしまう。
「暗くなっちゃったし、乗って行きなよ」
引かない…か。
いい加減、子供って年でも無いんだけどなぁ。
アオさんにとって、私はずっと子供なんだろう。
まぁ、昔と何が変わった?って聞かれても大して変わって無いのが事実だし。
……お言葉に甘えるべきか。