「いいけど、呼び出したのって?
アオさん、仕事の後っていつも疲れてるのに」
アオさんは仕事終わりに呼び出すと、大抵疲れ切っている。
そんなアオさんが、わざわざ仕事の合間に…なんて、何かあったのかな。
「いや?
咲が用あるんでしょ、今日は」
私の問いかけに、アオさんが答える。
……いや、呼び出したのそっちだし。
「1人暮らしの様子とか、仕事の事とか聞こうと思って」
なんだ、そういう事か。言葉が足りてないよ、もう。
"注文決まった。咲、追加は?"と聞きながら、アオさんがメニュー表を私に渡す。
先にボタン押しちゃってるじゃん。
そんな感じで、注文をして最近の事を思い出す。
……報告か、早速お皿割ったとか?
面接(仮)の話とか、喫茶店の事を主に話した。
「そっか、順調なんだね。
咲も頑張ってるのか、嬉しいわ。」
にこりと上品に微笑んでアオさんが言う。
「アオさんは?順調じゃないの?」
アオさんの仕事の詳しい事は分からないけど、面白いんだよね。
人に色んな話を聞くのが楽しくて。
あんまり自分は喋らずに、聞き手に回る事がいつの間にか多くなった。
「そうだねぇ、順調かな?
明日は楽出来そうだし、今週だけかな~?暇なの。」
暇って言っても、睡眠時間足りてないくせに。