あたしは、車の運転をしながら、あの日のことを思い出していた。 あの日、永真の病室を片付けていると、あたし宛ての手紙があった。 “紗梨へ まず初めに、本当にありがとう。 俺と出会ってくれて、俺を選んでくれて。 もうそれだけで十分幸せだった。 誕生日の2日前の日、 紗梨が「子どもがほしい」って言ったのは、驚いた。 でも正直言って、俺も欲しかったんだ。 その反面、怖さもあった。