「ああ、そうだな。
でも、不思議だと思わねぇ?」


「ん?何が?」


「紗梨に会うまでは、あの時一緒に死んでいればよかった、って思ってた。
でも今は、生きててよかったって思ってる。
むしろ、もっと生きていたい、って。

ありがとな、紗梨。
それだけ、紗梨の存在が大きくなってる。」


「ううん。こっちこそありがとう。
ここまで生きててくれて、よかった。」


「ああ。」