それから数日。
永真も退院し、夏休みも最終日になった。

今日は、アラン様のことに終止符を打とうと、家に、
お父様、アラン様、永真を呼んだ。


「話とはなんだ、紗梨。」


『婚約の話を、破棄していただきたく思います。』


アラン様のためにも、フランス語で話す。


『何回も言わせるな。
それは、もう不可能なことだ。』


『その言葉、そのままお返し致します。』