病室の前に来た。
だけど、未だに入れずにいる。

理由は、中から、あの看護婦さんと、永真の楽しそうな声が聞こえたから。

しばらく入れずにいると、扉があいて、看護婦さんが出てきた。


「あら、彼女さんじゃないですか。
お入りにならないのですか?」


「今入ろうかと……。」


「そうでしたか。
それにしても……神野さん、イイ男ですよね。」


すれ違い際にそう言った看護婦さん。