『でしたら、紗梨さんの家に泊めてもらうのはいけませんね。 …それより、その永真さんという方は、フランス語が話せるんですか?』 『…あっ。 多分、話せないと…。』 『少しなら、話せるよ?』 背後から、そんな永真の声が聞こえた。 あたしは驚いて振り返る。 「えっ?永真? フランス語…話せるの?」